さよならエバンストン

 朝6:20に起床してから、お部屋の身辺整理を行う。最後にお布団をMurさんに提供すべくMurさんの家まで歩いていく。Murさんとは握手でお別れする。7:50にタクシーをゲットしてO’hare空港に赴く。タクシーの中ではインド人の運転手と四方山話をする。エバンストンに到着した3/1もタクシーの運転手と四方山話をしたものだ。タクシーの運転手からは、アメリカで沢山のお金を稼ぐための方法について質問される。とりあえず、お金を稼ぐために最も重要なことはStudyingであることを主張する。子供の教育に投資をすれば、将来あなたは沢山のお金を得ることができるだろうと言ったら、しんみりとうなずいていた。
 飛行機は定刻通りに空港を出発し、成田に向かう。

 日本にたどり着いてから、エバンストンの8か月を思い出すと、時の経過が無情なくらいに早かったことを気付く。エバンストンの8か月はもはや夢である。しかし、日記に書いたことを一行一行読んだり、研究ノート、実験結果を一行一行反芻すると、この8か月が“なんと長かったことか”と思い直す。
 夢は血となり糧となったと信じて、日本の生活に邁進しよう。

Good-bye dinner2

 研究室でDavid先生、Jessicaと研究の引継ぎの打ち合わせを終えた後に、身辺整理をしてNUを後にする。
 本日の夜はSusさん、KudさんとEvanstonで最も美味しいRib屋さんと言われるお店でスペアリブを堪能する(Davis駅から1分北に歩いたところ)。リブは豚肉であることをこのとき始めて知る。
唯一同じ学科であるSusさんとは同学科卒業の日本人コミュニティーについての話題で盛り上がる。先年はNUのMSE学科の同窓会が日本で開催されたとのこと。Visiting ScholorであるYasuが同窓会に参加できるかは定かではないが、もし開催される情報をゲットしたら、とりあえず手は挙げてみよう。
Kudさんとの会話で印象的だったのは英語の上達の有無についてである。この8か月かで英語そのものが上達したかは定かではない。英語そのもの(文法・語彙)の勉強をした訳ではない。リスニング能力はそれなりに上達していると信じたい。Susさんととりあえず意見が一致したのは、英語を聞く・話す度胸がついたことだ。

Good-bye lunch, Moving Sale and Good-bye dinner

 日曜日のお昼はLabのお友達(Vee & Ampika)とDempster St.とChicago Av.の交差点に位置するDozikaでランチを楽しむ。
http://www.dozikapanasian.com/
Fish marketのすぐ近くだ。Dozikaは日本食とアジア料理(タイ料理)をミックスした様なお店だ。Vee & Ampikaは日本食(寿司&天ぷらそば(そばと天ぷらはセパレート:牛丼でいう皿なみか。))を注文する。一方YASUはPad ThaiとTom Khai(トムヤンクンにココナッツミルクを入れたスープ)を楽しむ。Labで最も親交が深かったのはOferさんとVee & Ampikaだ。アメリカ滞在中にタイ料理を堪能したのはこれで何回目だろう。Vee&Amikaのお陰でタイ料理のエキスパートになれた気がする。互いにNUを後にしたら日本とタイで共同研究しようと約束する。また来年Montrealで開催される予定の国際会議での再開を約束する。ちなみに本日の早朝(2:00)からサマータイム(Day-light Saving)が終了。そのため本日は1日が25時間である。Ampikaはサマータイムの事を忘れており、集合場所に11:00に来てしまう。確認をしておけば良かった。ごめんなさい。

 17:00からはYasuの居室でMoving Saleを実施する。テレビ、電話、食品、調味料、DVD、地球の歩き方等々を日本人の皆さんに提供する。

Moving Sale後はみんなでCozy (Davis駅近くのタイ料理屋)でGood bye partyを兼ねた食事会を行う。こちらのお店はお酒の持ち込みがOKなので正面のお店でワインとビールを購入してから入店する。食事をともにしたのは、Kuwさん、Murさん、Kudさん、Wadさん、みなさん化学の分野では新進気鋭の研究者だ。
http://www.cozynoodles.com/

Kingstonemines再び

 Murさんとダウンタウン北部のBlues bar(Kingstonemines)に出かける。Tomoがシカゴに最初に来訪した際に、Fabian, Mihaelaら一緒に行ったBlues barだ。Kindstoneminesには2つのステージが設置されており、各ライブが交互に開催される。YasuとMurさんはライブが開催される毎にテーブルを変えて計2回のブルースライブを堪能する。
① Linsey Alexander & L.A.B.B.
http://www.linseyalexander.com/
 古典的なブルースを基調としており、Linsey Alexanderの超絶ギターソロと軽快?なトークが売りのバンドである。Alexander奏でる主旋律およびソロギターは、Jimmy page(Led Zeppelinの1-3作目あたりのソロ)やEric Crapatonのギターの旋律に酷似していた。シカゴ・ブルースが70年代ロックに非常に大きなインパクトを与えたことを実感したYasuであった。

② Dr. Duke Tumatoe & The Power TRIO
http://www.duketumatoe.com/
 Alexanderよりも弱冠(Fank調に)はじけたバンド。曲調は古典的なブルースにちょっとファンクの要素が入った感じ。本日はCD release記念のため、ニューアルバムから数多くの曲を演奏する。Dr. Duke Tumatoeは50-60代のはじけた(&はげた)おじいさん。お酒を飲みながらの演奏なのに非常に高くて透き通った声で歌をかなでつつ、はじけたギターを演奏していた。Yasu的にはPower TRIOのハモンドオルガンによるソロがお気に入りだ。

 2つの演奏を大変気に入ったYASUは2枚のCDを購入。日本に戻った後もCDでシカゴの夜を堪能する予定。また、久しぶりにBlues Brothersも鑑賞する予定。 

good bye present

 お世話になった研究室の皆さんにGood-bye presentを配って回る。Good-bye presentの中身はおせんべいとコアラのマーチ。おせんべいの一部はTomoと母親・弟が8月に持参したおせんべい。残りのおせんべいとコアラのマーチはDempster st.、Chicago Av.の交差点に位置するFish marketで購入。以前、Murさん、Kudさんで寿司を堪能したお店だ。お菓子を買いに行くついでに久しぶりの“にぎり”を堪能する。
 おせんべいとコアラのマーチを詰めた紙袋はJewel Oscoで購入。ハロウィン用の紙袋なので色は当然オレンジ。ちょっとした(笑われるような)プレゼントだが、おせんべいはアメリカでは珍しいため好評であった。

farewell party

 David先生が10月末で帰国するYasuと、PhDを終了して10月24日にベルリンに旅立つAlanのためにFarewell partyを開催してくれる。パーティーはNUから歩いて5分弱のDavid先生の家で催される。
 Partyには差し入れとして母親&弟が8月末に持参してくれた黒糖焼酎を持っていく。お味は好評だったようである。特にJohnから沢山の賛辞を頂く。その後はJohnとお酒談義で花が咲く。前room mateのFabianからカリフォルニアワインの悪口をさんざん聞いていたが、John持参のワイン(カリフォルニア産)は今まで口にしたした事が無いくらい美味。Johnは家にワインクーラーがあり、20-30本のワインコレクションを常備しているとのこと。Good bye presentとして絶品の品を一本プレゼントすると言われたが、どう考えてもスーツケースには入りきらないと思い、丁重にお断りする。情報だけ後で聞くことにしている。
(下の写真の真ん中がJohn、右はAmpika)

 Partyの途中にDavid先生から本のプレゼントを頂く。氷の結晶に関する本だ。氷の結晶を利用した研究に従事したことと、シカゴの冬を経験しないYASUのために考えたプレゼントだそうだ。Ampikaからは似顔絵(&ネクタイ)のプレゼントをもらう。似顔絵は激似。


 ここでは信じられないくらい多くの仲間に恵まれた。学会や国際会議を通じて、一生のつきあいができたらいいなぁと切に思うYASUであった。

メトロポリタンを駆け足で廻る

 最終日は9:00に起床。ニューヨークで滞在したホテルは残念ながら無線LANは無し。ホテルも完全個室を予約したと思っていたが、2KをShareする形態。それでもバスタブが付いているのでYASU的には御の字。
http://www.bleeckerhouse.com/

 近くのCaféでメールチェックをしたあとにメトロポリタン美術館に赴く。規模がでかいばかりでなく、展示品のジャンルの多彩さに舌を巻くYASUであった。イメージとしては大英博物館ルーブル美術館を2で割った感じ。11:30〜15:30まで、昼食無しで見回ったが美術館のほんの一部しか鑑賞することができなかったようである。以下に鑑賞したジャンルをちょっと紹介。
http://www.metmuseum.org/
(1) アメリカ絵画
Albert Bierstadtのロッキー山脈(1863年作):インディアンが湖で憩いのひとときを過ごしている背景に壮大なロッキー山脈が拡がっている。

(2) アメリカ装飾美術
Frank Lloyd Wrightの居間:帝国ホテル建築で有名なF.L.Wrightの居間。数寄屋作り・書院作りと西洋の建築を見事に調和させた一品。部屋がそのまま美術品として展示されているところがメトロポリタンのすごいところ。

(3) エジプト美術
デンドゥールの神殿:ローマ時代初期にアウグゥストゥスの命で作製された神殿。アスワンダムの建築で水没の危機にあった神殿を、米国政府がエジプト政府から譲り受けた一品らしい。神殿は水没危機まで、野ざらし状態だったらしく、神殿の表面には無数の落書きあった。エジプト美術品の多くがヨーロッパ諸国に管理されているが、遺跡を良好に保存するためには、必要悪なのかもしれないなぁと感じ入ったYASUであった。

(4) ルネッサンス後ヨーロッパ絵画(印象派前)
 ボッチチェリ、ラファエロ、エルグレコ、ヴェラスケス、ゴヤルーベンスレンブラント・・・無数の絵画の山。4時間ではとても消化することはできない。そのなかでも印象に残ったのはエルグレコ(盲人を癒すキリスト)。

(5) ルネッサンス後ヨーロッパ絵画(印象派後)
 こちらもとても消化しきれないコレクションの山。テオドール・ルソー(今まで知らなかった)“冬の夕暮れの森”の激しい色づかいに感動。ゴーギャンのコレクションは一見の価値有り(写真はLa Orana Marina)。


(6) 日本美術
月に雁:歌川広重→小学校時代にゲットしたかった切手の原盤。原盤はカラーだったとは知らなかった。甲冑コーナーでは日本でなかなかお目にかかれない古墳時代の鎧が展示されていた。

 メトロポリタン美術館はセントラルパーク内にある。美術館を駆け抜けたあとは、最後の時間を利用して公園をちょっぴり散策する。Strawberry fieldsは残念ながらメトロポリタンの反対側に位置するので、行くことを断念する。
http://www.centralparknyc.org/